平野区母娘殺害事件
事件概要

2011年6月24日午後9時頃、大阪府大阪市平野区のマンションで、在日韓国人の山下香代子さん(当時61歳 韓国名 金玉香)とその娘の山下裕美さん(当時27歳 韓国名 金裕美)が刃物で数十カ所刺され殺害されているのを、仕事から帰宅した裕美さんの姉(当時28歳)が発見し、近くの交番に届け出た。

殺害された母親の金玉香さん(当時66歳)次女の裕美さん(当時27歳)

 

警官が駆け付けると、母親の香代子さんは和室で、妹の裕美さんは台所で血だらけで倒れており、死後しばらく時間が経っていた。
2人には刺し傷の他に、抵抗した際に出来たと思われる傷があり、遺体の側には血だまりができていた。
凶器は見つかっていない。
大阪府警は殺人事件として捜査を開始し、交友関係やトラブル等を詳しく調べた。
7月6日、捜査の結果、裕美さんの元交際相手で元同僚の在日朝鮮人、文原青児(当時35歳 朝鮮名 文青児)を殺人容疑で逮捕した。
文原は裕美さんに対し、嫌がらせのメールや電話を執拗にし、自宅へ押し掛ける、暴力を振るう等の悪質なストーカー行為を繰り返していた。
事件前日、文原は裕美さんに復縁を求めるが、裕美さんが拒否したため憤り、翌日にナイフを持って自宅を訪れた。
裕美さんの姉が仕事に出かけた後、午前8時頃に文原は裕美さん宅を訪れ、玄関チャイムを鳴らしたが応答がなかった事から、ベランダから自宅にへ乗り込み、裕美さんと母親の香代子さんに再度復縁を求める。
しかし、復縁を明確に拒絶され絶望した文原は、持参したナイフで裕美さんと香代子さんを数十回刺し殺害し逃走した。

犯人の在日朝鮮人 文(文原)青児容疑者(当時35歳 )

 

 

 

背景

事件前より文原は裕美さんに、付きまとい等のストーカー行為を繰り返しいた。
文原は裕美さんの元交際相手で、以前勤めていた会社の同僚でもあった。
事件前には文原に、顔面を殴打される事件も起きており、この事がきっかけで裕美さんは勤めていた会社を辞めている。
裕美さんは知人にストーカーの存在を明かし、相談していた。
また裕美さんの携帯電話には、文原からの嫌がらせメールが大量に送られてきていた。
事件当日、裕美さん宅の固定電話は、文原からの着信を拒否する設定がされていた。

 

 

 

◾韓国政府からの圧力
6月26日、韓国は大阪領事館を通じて日本当局に、「公正かつ迅速な捜査を要求する。」との要請を行い、日韓両国で広く報道された。
韓国政府はこの事件の直前に、日本人が容疑者である別の韓国人殺人事件で、日本の司法が容疑者に対し死刑ではなく傷害致死罪を適用した事について再考するよう要求していた。
韓国のマスコミは再び韓国籍の者が殺害された本事件について、また韓国人が殺されたといった報道を相次いで放送した。
また容疑者が在日朝鮮人だと判明すると、本事件の報道をやめた。

 

 

 

◾裁判
2011年7月8日、大阪府警は山下さん母娘殺害容疑で文原を逮捕する。
大阪府警は文原が事件直前に、軍手等を購入している事から、計画的犯行であったとしている。
しかし文原は犯行を否定する。
7月29日、大阪地検は文原を殺人、住居不法侵入の罪で大阪地裁へ起訴する。
2012年5月23日、大阪地裁は文原被告に対して求刑どおり無期懲役を言い渡す。
検察、弁護側共に控訴せず、判決が確定した。